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Re: http://kgq3vd.sa.yona.la/8
ありがたくまとめさせていただきます。 |
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Reply ありがとう |
井上陽水&奥田民生 / ありがとう
Re: http://kgq3vd.sa.yona.la/7
お礼を言うのもおこがましい気がするのですが |
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Reply ありがとう |
あのカニはまんべくんと言うのですね(と言うことは性別はオス?)。
あなたのまんべくんの絵がとても好きです。
何て言ったらいいのかわからないのですが、絵が好きだと思ってとてもうれしかったのと、書いてとても楽しかったのと、また絵が見れてとてもうれしいのと、そして自分の中にあった絵がほぼそのまま伝わっているらしいことに安堵と感動を抱いたのと。
ほんとうにどうもありがとうございます。
図々しいついでにもうひとつ。
一人称掌編は月毎にサイトにまとめているのですが、見せていただいた絵、クレジットつきでレスポンス先と言うことで一緒に載せさせていただくことはできるでしょうか。
ダメでも凹まないので大丈夫です。お返事いただけたら幸せです。
まんべくん可愛い。まんべくん可愛い。
Re: http://kgq3vd.sa.yona.la/3
はさみの手 |
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おいでと手を差し出すと、蟹の子はむっつりと唇をへの字に曲げ、そっぽを向いた。
何か言ったかしたかと、私はつい悲しそうな表情を浮かべて、蟹の子の顔を覗き込むようにする。蟹の子はますます意固地によそを向き、怒った時にはそうするように、小さなはさみの両手を頭上に振り上げた。
はさみの先が、顔を近づけていた私の、前髪の先へ軽く当たり、思ったよりもずっと鋭いそのはさみの切っ先で、すぱりと私の髪が切り落とされる。
驚いて私は身を引き、蟹の子も驚いて両手のはさみを胸の前に抱え込むようにして、私たちは一緒に、そこに落ちた髪のひと房を眺めていた。
ああ、と思わず私は声を上げ、だがそれは悲しみや悔しさや恐ろしさではなく、単に驚いただけの声だったのだが、蟹の子は両手を抱え込んで小さな体をいっそう縮め、さっきまでよそを向いていた顔をこちらに上目遣いに、心底申し訳なさそうな、そして怯えた顔をしていた。
大丈夫、と私は髪を切られた辺りの額を片手で押さえながら笑って見せる。蟹の子はそれでも表情を崩さずに、放っておけば泣き出すかもしれないと私は思う。
髪なんか、すぐに伸びるから。
できるだけ明るく、私は蟹の子に向かって言った。
無理はしていない。私のまったくの真正の本音だ。だが蟹の子は信じていない風に、ずりっと後ろへ半歩下がった。
これはいけない。何を言っても信じてはくれない。私はそう考えて、それがそのまま表情に悲しそうに浮かんでしまい、蟹の子はそれをどう取ったのか、今度こそほんとうに泣き出しそうに、真っ黒いつぶらな目を潤ませて、だから海の水は辛いのだなと、私はよそ事を思う。
蟹の子を泣かせてはいけないと、私はそればかりで頭の中をいっぱいにして、そうしてひらりと思いついた時には、手の中に大きなはさみを握り締め、その、蟹の子どころか、私の掌の2倍もありそうなはさみで、掌いっぱいにつかみ取った後ろ髪を、じょきりと一気に切り落とした。
蟹の子は声は上げず、だが意外な表情豊かさで、全身で呆気に取られ、私をあの真っ黒な目をいっぱいに見開いて見つめ、私はそれに応えるように顔いっぱいで笑うと、手の中につかんでいた、私から離れてしまった髪の毛を、後ろの方へぱさりと放った。
ざくりと切った今は揃わない後ろ髪が、あごの線を撫でて来る。面倒くさい長さになってしまったと私は感じた。
蟹の子は、呆然とした後で気を取り直し、そしていっそう色濃く悲しげな気持ちをそこへ刷くと、赤い体がなんだかひと色失せたようで、人も顔色を失うが、蟹だって同じように青くなるのだと、それはとても場違いで不思議な発見だった。
触わると、痛い。
蟹の子はまだ両手を抱え込んだまま、ようやくぼそりと言った。
何だって?
よくわからず私が聞き返すと、蟹の子はうつむいて、ふるふる広いが薄い肩を震わせて、はさみの手では傷つけずに優しくは触われない、と小さな声で言った。
今度は私が呆気に取られた。
ああ、そうだったの。
だから私が近寄ったり、近寄らせたりしようとすると、あんな顔をして見せたのだ。
蟹の子が私をまた上目遣いに見る。私は蟹の子を見下ろし、微笑んで見せる。私の笑顔を見て、蟹の子はようやく胸の前に組んでいた腕をほどいた。
蟹の子へ向かって体を近づけると、切ったばかりの中途半端な長さの髪が、ふわふわと顔の回りに散った。その眺めは思った以上に慣れず、顔をしかめかけた私は、思いついたままを蟹の子へ向かって口にしていた。
髪を切るのを手伝って。
言いながら、私はまたひと房目の前に垂れた髪の毛を指先につまみ、ぶすりと手にしていたはさみで切り落とす。そしてまた別の次のひと房。
そうしながら、蟹の子へいっそう頭を近づけて、髪の毛が届くようにしてやると、蟹の子はゆらりと立ち上がり、私の方へはさみの手を伸ばして来た。
ぱさりぱさり。ばさりばさり。私の髪の毛がどんどん切られてゆく。次第に私たちは愉快になり、笑い転げながら髪を切り続けた。
垂れる長さが足りなくなると、私は蟹の子を用心深くつまみ上げて肩に乗せ、そこで髪を切るように頼んだ。
私は、蟹の子から遠い方の髪を盲滅法につまみ上げては切り落とし、最後には私も蟹の子も髪の毛まみれになり、つんつんと逆立った私の髪は長さもてんでばらばらな、ひどいざんぎり頭になった。
私は、額からうなじまでをひと撫でし、掌に芝生のように当たる髪の意外な柔らかさに目を細め、ありがとう、と蟹の子に言った。
切った髪はどうする?
蟹の子が、私の肩から下を見下ろして訊く。
さあ、持って帰ったら鳥が巣材にするかも。
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何だか表情とか色とか構図とか、いろいろと萌えてしまった。